極楽鳥花(別名ミユキという)は、ひとり寂しく今日も寒さに耐えていた・・・。
今日は日曜日。店の定休日で、店主のみゆき(偶然にも同じ名前だ)も来ない。昨日の土曜日は人気のベテランスタッフと優秀な新人スタッフのコラボレートで10名のお客様のエステをして、店主は5ヶ月にわたるホームケアセットキャンペーンの最終局面を迎え予約をいただいていたお客様への販売にアタフタ・・・。室温が25度になっているのも気づかずバンバンと暖房をしていたせいで、まあ今日の冷えが身にしみること。でもきっとこの寒さには訳があるのね。彼女はふとかたわらを見やった。
そこには数日前までいたはずの、小さな5人の仲間の姿が、彼女にはまぼろしとなってうつっている。そう、数日前から時々雪がつもったりしているここ仙台では、5人が夜の寒さに耐えられなくなって枯れてしまうのを恐れた店主が、自宅に持ち帰ってしまったのだ。
「ねえ、あたしは??」
こんなでかい図体を運べる訳がないが一縷の望みをもって問いかけると
「あんたは大丈夫ねえ。ぜったい枯れないもんね!」
そう、私はこの8年というもの、極寒にも猛暑にも耐え、水やりを2週間近くも忘れられても耐え、ほこりだらけでほっとかれても耐えてきたのだ。・・・・・おかげでいまだにたったひとつの花も咲かせたことのないあたし。つぼみができたためしもない。
でもさすがに今年の冬が越せるかどうか不安だ。だってついこないだまでいた彼らがいなくなっちゃたんだもの。・・・楽しかったこの数ヶ月。
彼らはある日突然やってきた。るんるんと店主の両手にかかえられ、ある日5人揃って彼女の隣にやって来たのだ。
「な、なんというイケメン!!」
彼女は我が目を疑う。見たことないわっ、こんな素敵な人たち!!(まあ、この部屋から出たことないんで当たり前だが)
彼らは観葉植物のくせに、歌も歌えば踊りも踊る♪
それぞれに魅力的で、みんな彼女にやさしかった。
彼女はしいたげられていたこの8年間の苦しみが嘘のように消えていくのを感じていた。そしてある時・・・いつの間にか5人のうちの1人にどうしても自分の気持ちが向いてしまうのを感じていた。その1人とは・・・
次号に続く
いざ書き始めると、やっぱ2回じゃ終わらないわあ(^^;)
でもブログ書いててこんな楽しいの初めて!!癖になりそう〜〜。
♪色とりどりのマスクかぶって
偽りのキャラを演じきって♪