2011-4-9 17:30
この題字に誤解を受けてはいけないので先に言っておきますが、別に私はなんの宗教に入っているわけでもありません。無宗教といっていいかどうかはわかりませんが、母の眠る真言宗のお墓にはよく行っているので、真言宗になるのかな。いや、特に意識はしてないけど、毎朝仏壇に手をあわせることは欠かしたことはありません。
じゃあなんでこんな題字になってるの?少し長くなるかもしれませんが、読んでみたい人は読んでください。まあ、いっつも長いけどね。いつも以上になると思うから、きっと疲れます。無理しないでここで閉じてくださって結構です。
その前に、7日深夜の地震、みなさん大丈夫でしたか?
びっくりしましたね。その日はまだよかったけれど次の日、店に行ったらまた先日の大地震の時と同じありさまになっていて、さすがの私もすっかり心が折れました。
きっとそんな人多かったでしょ?立ち上がろうとした矢先にこれだもんね。しかもテレビの学者さんは、これくらいの大地震だと、あと2〜3年は大きな余震が続く可能性が高いとか言うし。また来るんだ、それも何回も来るかもしれないんだと思えば、さすがの私も心が折れますわ。でも今日になってちょっとだけ回復しました。どうしてか?その話を今からしますね。
話はさかのぼって4月4日、私は、ある小さなサロンに行きました。
そこはうちの店のもとスタッフが開いたサロン。もとスタッフなのでCPサロンではありません。古くて小さなこじんまりとした物件の、でも彼女の思いのこもったしみじみとやさしいサロンです。彼女は今回の地震のことや、それに伴ういろんなことでサロンを閉じることを決意しました。私はそこの物件のあまりの立地の良さにひかれて、次の子サロンにつながるものはないかと足を運んだのです。
ところが話は商売の話ではなく、意外な方向にいきました。今回の地震で人生が変わっていく人たち、それもいい方向に変わっていく人もいるという話になったのです。そして彼女もそうなのです。
ノアの方舟のように私達は試されている。怖いのは地震だけじゃない、津波だけじゃない。危機に出会った時に鮮明にあぶりだされる、人の心です。
自分のことしか考えていない人間か、そうじゃないのか。他人のことを思いやっているように見せかけて、それは偽善とか、裏に隠れた、自分は人より得をしてやろうという心とか。普段見えなかったものが、こういう時、ちゃんと見えることがあるんです。私だって全然偉そうなことは言えない。人間ですから、悪い部分も持っていて当たり前ではあるんです。白黒のきっちりとした色分けができるわけじゃない、でもこの人はどのあたりのグレーなのか、白に近いグレーなのか、黒に近いグレーなのか、見えることがある。そしてそれは、神様なのか何なのか、ちゃんと見ているものがあって、こんな時に人生の方向が転換していくことがある。たとえどんなひどい状況に置かれても救いの手が伸びて来る人と、いくら待っても伸びて来ない人がいる。
今日、地震後の店の片付けの手伝いに来てくれた新人のスタッフがいます。まだディプロマも取っていない、ド新人です。平日ハードな仕事で忙しいのに、今日は雨なのに徒歩30分以上もかけて来てくれました。ひどい花粉症で鼻水ズルズルで、まだ自分の家の片付けもろくに終わっていないだろうに、でも手伝いに来てくれました。時給なんかいらないと言われましたが無理に持たせました、いろんなおまけと一緒に。もちろんそんなことを期待して来る子じゃありませんが。
面白いのは、2人で一生懸命片付けている時に、今週初めに会ったもとスタッフから私の携帯に電話がありました。今月で物件を返す予定だったけれど、不動産屋さんと話したら、1年以内に解約すると違約金がかかってしまうから7月まで借りていることにする、でも私はもうここでは仕事はしない。先日話したように、自分のお客さんに話をして、またその時はポーセリアに連れてきて仕事をする、だから8月以降でよければ誰かにこの物件を引き継ぐことはできると。私が4日に彼女のサロンに会いに行った時、次の子サロンにと思い描いていたオーナーは、まさに目の前にいるド新人のこの子です。「あ〜今ちょうど目の前にいるの、じゃあそのうち、一緒に見に行くわ」ということで電話は終わりました。
さてこれからも神は見ています。ド新人のこの子が本当にサロンを開くことになるのか、どう考えてもディプロマもまだ取ってないこの子が今年の秋にサロンオーナーになるのは無理です。でも今日のことは大きなきっかけになりました。片付けのあと、お茶を飲みながら、今後についての話をいろいろ進めることができました。
彼女が将来的にサロンを開くことになるか、たとえそうじゃない違う人生になったとしても、きっとこの子には幸せが待っているのは間違いないと確信しました。
私のことも、あなたのことも、神は見ている。地震なんかに負けていられますか。
♪雨の向こうへ 風の向こうへ
旅は続いていく
君の向こうへ 僕の向こうへ
道は続いていく♪
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